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第36回新俳句人連盟賞(2008)

佳作第3位をいただきました。(入選2人、佳作5人)
やっぱり、ちょい嬉しいですconfident

   福寿草

カステラを春の形に切り分ける
失くせない平和な時間新茶汲む
レモン噛む青年の瞳の透き通る
冬夕焼け脇目も振らず引越屋
新年の誓い憲法第九条
野遊びのころり転がるゆで卵
八月の末裔として祈りけり
やわらかに空気を揺らす草雲雀
四畳半一間夕暮蜆汁
化けの皮一枚はがす春の雷
ラムネ瓶窓辺に海のはじまれり
戦争はみんなイヤです桃の花
吊り橋を一気に渡る青嵐
夏空を映して君は無限大
空き缶のいつも淋しい冬夕焼
春の陽を溜めて駱駝の瘤となる
蝉時雨止んで故郷すっからかん
敵味方なき青空と吊し柿
地の吐息拾い集めて独楽回る
生まれたての光の中の福寿草


選者の方の感想
<石川貞夫氏>
柔軟な感性により、ときに若々しく、ときにおかしみを滲ませる自在な表現が魅力。筆の滑りを押さえれば更に伸びる。
  カステラを春の形に切り分ける
  ラムネ瓶窓辺に海のはじまれり
  蝉時雨止んで故郷すっからかん

<細井啓司氏>
全作品が水準以上に達しており、特に次の二作品に注目した。
  地の吐息拾い集めて独楽回る
  生まれたての光の中の福寿草

<沖 正子氏>
  カステラを春の形に切り分ける
  ラムネ瓶窓辺に海のはじまれり
  夏空を映して君は無限大
全体に軽めだがやわらかいタッチの感性豊かな作品が揃い、その青春性、現代性に惹かれた。「戦争はみんなイヤです桃の花」などの安易な句、類想がありそうな句などが散見され惜しい。

<その他>
 「カステラを春の形に切り分ける」「野遊びのころり転がるゆで卵」「ラムネ瓶窓辺に海のはじまれり」。気持ちよく読め、欠点のない作品が多い。現代感覚がありやわらかい。「新年の誓い憲法第九条」などは困る。類想類句がある。


※既発表作も可ということだったのでよかったのです。ほとんど気に入っている句なので、評価していただけてうれしい。

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