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2008年11月

短歌24

【お題:泳ぐ】
昨日まで泳ぎ続けていた秋刀魚 耳を澄まして波音を聞く
これからは自由気ままに泳ぎます人生という個人メドレー

【お題:種】
ぬくもりの種を撒きつつオーボエの奏者が身に纏っていく鬱
野草好きな人が増えれば世の中が変わる種苗店主の持論

【お題:救う】
傷口が寂しがったりしないよう救急絆は透明タイプ
幾重にも星霜纏う斑鳩の救世観音の厚ぼったい笑み

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俳句大会(神奈川)

26回神奈川県現代俳句協会俳句大会がありました。

大会は、大会作品として10月末までに募集した句を、79人の選者が、天・地・人を各1句+入選句20句の計23句を選んだ結果の発表(30位まで)、ゲストを招いての講演、当日句会などがあります。

私の所属している結社では、大会句で30位までに2人が2句ずつ入賞。
私は大会句は全滅でしたが、当日句会では12位(147人中)でした。一緒に行った仲間は6位(大会句でも入賞)。
当日句会は席題があって、今回は「宿」と「石蕗の花」。どちらか1つを選んで句を作り、のち互選します。

私の句は
  宿敵は西の女と土手南瓜

よく点が入ったなぁ、と……

終わったのは5時。外に出るとかなり雨が降っていましたcoldsweats02
確かに予報は雨だったけど、傘を持たずに出たんですよね。。。
おかしいな、晴れ女のはずなのにthink

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題詠blog2008_投稿歌一覧

001:おはよう
おはようの声は谺を連れて来る明日閉ざされる山の分校

002:次
次の間に虎を侍らせサーカスの女は夜に涙をこぼす

003:理由
もう理由なんかどうでもいいんだよ飛行機雲がまっすぐだから

004:塩
ふたりかつて歩いた桜並木の道で聞こえる声 塩辛い

005:放
春月の光の描く放物線私は一人つくづく一人

006:ドラマ
新じゃがの丸揚げしつつ聴いている油の中で始まるドラマ

007:壁
夕焼けを何度吸っても真っ白な壁に書こうか過去の私を

008:守
エトワール凱旋門に守られて無名戦士の墓の灯火

009:会話
耳元に届く春風との会話あなたの声に少し似ている

010:蝶
凍て蝶の記憶は閉ざされたままに春の兆しを受ける触角

011:除
凍て空を震わせ除夜の鐘響く遥か彼方に犬の遠吠え

012:ダイヤ
お揃いのセーターゆるり編んでいるダイヤ模様はちょっぴりいびつ

013:優
いつだって私は女優真っ青な涙を胸に隠し続ける

014:泉
茹で卵転がり黄泉の扉(と)を叩くやっぱり今日も散歩の途中

015:アジア
部屋の顔変えるアジアンテイストのカーテンを縫う風をもらって

016:%
青空の翼だんだん広がって98%の春

017:頭
人に少し哀しみ残し三頭の河馬の背中のしずかに暮れる

018:集
件数と希望職種は比例せずやる気なさそな募集広告

019:豆腐
バーナーの炎に体震わせて焼き豆腐にも変身願望

020:鳩
まなぶたの奥にかすかにある微熱あの日と同じ鳩笛を吹く

021:サッカー
サッカーを愛して止まぬ君の瞳に私の入る余地はないのか

022:低
いつまでも低空飛行などせずに早く私に着地せよ君

023:用紙
いつも絵を褒められていたMちゃんの魔法の画用紙が欲しかった

024:岸
ぐんぐんと活気を帯びる魚河岸の女の指のせわしく動く

025:あられ
あられ降る鹿島の宮の奥深く地震(ない)抑えるという石のあり

026:基
基本って苦手なんだな行き当たりばったりでいく私B型

027:消毒
ここにある消毒槽は高濃度 「お役人様ご一行用」

028:供
延々と遅刻の訳(わけ)を五月雨のように供述している男

029:杖
泣き出さぬように頬杖ついている藍色深くなっていく街

030:湯気
君と僕なぜか不思議と馬が合う酒まんじゅうの湯気に誘われ

031:忍
沸点が近づいているひっそりと売り飛ばすのは堪忍袋

032:ルージュ
一本で君からあなたへと変わる境界線となるのはルージュ

033:すいか
これが夏これがすいかの食い方と言ってるような男の背中

034:岡
どうしたら岡虎の尾(オカトラノオ)に会えますか遠距離恋愛ならいいけれど

035:過去
過去となる一日を過ごす観覧車さやり五月の風が渡って

036:船
君という船を浮かべて夜の海は時化となりたる深いため息

037:V
目覚ましの短針がVを二回指すそれがふたりの別れの合図

038:有
薫風を味方につけて歩き出すゆっくり有卦に入る乱れ髪

039:王子
あなたとの約束王子権現のひっそり風が流れるところ

040:粘
画竜点睛口に穴開けほっと息吐く粘土細工の男

041:存在
あんパンに臍を小さくつけましょう存在感はこれで充分

042:鱗
いわし雲泳いでみんないなくなる忘れていった鱗いちまい

043:宝くじ
あなたっていう一等の宝くじ満ちていくのは携帯電話

044:鈴
カタコトで伝わるんだね夕暮れのはにかんでいるドイツ鈴蘭

045:楽譜
大空にきっと楽譜はあるんだよぽろろんと雨音セレナーデ

046:設
人攫いのような夕暮れ木製のベンチを設置したその日から

047:ひまわり
ふっつりと消えてしまえば私たちひまわり迷路は明るい真昼

048:凧
連凧を風に任せて揚げており誰も知らない天空の罠

049:礼
回り道寄り道をした 再会の望みを託す祭礼前夜

050:確率
大陸は乾いています穏やかな海が荒海となる確率

051:熊
一筋の心に歌は生まれ出る熊野(ゆや)の悲しみ揺れるさざなみ

052:考
広がっていく備考欄わたくしを悲しませるには十分でしょう

053:キヨスク
真っ白な午後の曳航くらくらとキヨスクで買うミント菓子数多

054:笛
あの山へ雲が流れて行きますね さあその笛を吹いてごらんよ

055:乾燥
強力な乾燥剤をポケットに哭きに行くんだ水無月の森

056:悩
こんなにも小さな悩みゆらゆらと空と海との狭間に立って

057:パジャマ
深海の宮殿までを案内(あない)する魚柄パジャマはネイビーブルー

058:帽
つば広の麦わら帽子やわらかく兆という字によく似た背中

059:ごはん
外国で暮らせない理由(わけ)その一はほかほか白い炊きたてごはん

060:郎
太郎泣き次郎泣き止む夕暮れは数え切れない揺れるたましい

061:@
社会とは@(アットマーク)で繋がってロールケーキが食べたい真昼

062:浅
子どもらの手足と熊手から逃れため息ついた寂しい浅蜊

063:スリッパ
憂鬱な雨がまとわりつく日には君とお揃い虹色スリッパ

064:可憐
ためらいは疾うの昔に捨てました野草見つめて可憐な男

065:眩
眩暈するような蝉時雨の中は揺れるつり橋私の孤独

066:ひとりごと
すんすんと伸びる真竹に夏の日のひとりごとなら寂しくないわ

067:葱
どんないたずらをしたんだ夕暮れの真中に葱坊主葱坊主

068:踊
テノールとソプラノ恋はどこまでもフーガのように踊り明かそう

069:呼吸
一本の大樹となって深呼吸ヘリコプターは西へと向かう

070:籍
入籍を済ませてきたの街路樹に白い木漏れ日きらきらこぼれ

071:メール
あなたから届くメールは海の色ブルーハワイが飲みたい午後に

072:緑
降り注ぐ緑の中で存分に深呼吸しているカメレオン

073:寄
寄せ鍋の湯気にしましょう密やかに積もり積もった今日までの鬱

074:銀行
合併を繰り返していく銀行をすっぽり包んでいる夕闇

075:量
崖(きりぎし)を舞い降りて行く双蝶(ふたつちょう)情状酌量などは望まず

076:ジャンプ
飛び魚の最後のジャンプまなぶたの奥深くまで青の残像

077:横
約束の時間はとうに過ぎているお台場公園横なぐりの雨

078:合図
蟋蟀の鳴くのが合図真ん中の秋を私も歩いて行こう

079:児
怪物を退治する夢大空を駆け抜ける夢 児童図書館

080:Lサイズ
殿(しんがり)はLサイズの蟻 新しい朝の日差しと潜る銃眼

081:嵐
歩き出すチャンスを狙う黙考の砂嵐の中のスフィンクス

082:研
遠来の男の研いでいる包丁いくたびもいくたびも青い三日月

083:名古屋
目を閉じている青年僧 風の匂いの名古屋城本丸御殿

084:球
光年の夢を絡ませたまま眠る骨太の男と天球儀

085:うがい
うがいする音に合わせて増えていく南極海の氷の叫び

086:恵
ゐとゑって為と恵なんだと知ったとき「ゐ」と「ゑ」がとても愛しくなった

087:天使
ひっそりと翼をたたむあどけない天使の声は薄い水色

088:錯
穏やかな心の奥の倒錯を眉根を寄せる阿修羅像に見る

089:減
高らかに鳴り響くウエディング・ベル加減乗除の日々が始まる

090:メダル
メダル型チョコを集めて地下鉄の出入口全体が満月

091:渇
渇水期があるから満ちるときがある薔薇の香りを包み込む部屋

092:生い立ち
つきつめた濃い藍色が好きだから生い立ちぽつり語り出す鮭

093:周
限りなく広がっていく水平線どうでもいいさ円周率は

094:沈黙
沈黙は鋭いナイフ今日もまたひとり芝居を始めてしまう

095:しっぽ
わかってるあなたのふさふさのしっぽごまかしたって隠したってだめ

096:複
複数の男に出会う相だって!立て続けに来るセールスマン

097:訴
訴えている君の眼の奥の奥しずかに流れている熱血

098:地下
地下道に秋の終わりの風送る換気塔には大きな蜻蛉

099:勇
拮抗ののちの勇魚(いさな)の聞いている新生代の扉(と)の開く音

100:おやすみ
おやすみの言葉はキャラメルの甘さ眠りの底で探す空き箱

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